A STORY
それが分かったのは少しして社長自身がひざの関節を痛め、実際に使ってみる立場になってからでした。
実際に第1号を使ってみたところ固定が十分ではなく、ぐらついてしまい使用者の支えとしては不十分で心許ないものだと実感し、要は壁や床に固定する、つまり工事なしでしっかりと便器そのものに固定できる仕組みが必要だという事がわかりました。様々な会社を回り、この提案に乗ってくれたのが当時福祉用具部門として”安寿”ブランドを立ち上げたばかりの「アロン化成」さんでした。
もともとプラスティック製品を数多く手がける中で簡易ポータブルトイレなどを販売されていたこともあり「といれって」を見るなり、すぐに採用していただけ”安寿”ブランドへのOEM提供が決定しました。
試作第1号から早3年が経った2002年「S-45」という製品名でついに、といれっての製造・販売が開始されました。
それからほどなくして介護保険適用も決まり、買い取りだけではなくレンタルでのご利用も可能になった事で一躍脚光を浴び、また飛散した尿や掃除に使う洗剤が原因で錆が発生してしまう問題をステンレスを材料に使う事で解決した「SUS-45」はケアマネージャーをはじめとした福祉関係者の間では知らないものがいない程の商品となりました。
その後、利用者の方からのご要望やご意見を取り入れ、様々な改良を加えた「スライド式」や「はね上げ式」を開発し「Welfan(ウェルファン)」さんでの取り扱いも2009年頃からはじまり、さらに多くの方に知っていただく機会が増えご利用いただける様になっていきました。
2014年、安寿ブランドへのOEM契約が終了し池島工業として積極的にバリアフリー展をはじめ展示会・福祉関係者向けの説明会などに参加しています。
これからも金属加工の技術を活かし利用者の方の様々なニーズを福祉用具という形で実 現し、よりよい暮らしのお手伝いをしていきたいと考えています。